縁起物、これも古くからあるものですね。
そこそこの年齢になったら、嗜みとして知っておいた方がいいものの一つです。
では、簡単に用語の解説から。
<縁起物>
縁起とは、もとは仏教用語だそうですが、難しい事はさておき。
大よその概要だけ押さえておきましょう。
縁起が良いとは、良いことが起こる前触れの事。
縁起が悪いとは、悪いことが起こる前触れの事。
縁起物とは、めでたいこと(良い事)を祝うときの象徴のような物。
または、願い事をする場合に、「商売繁盛」など具体的な願いを象徴するものをいいます。
お店でよく見かけるアレ、招き猫もその一つです。
けっこう効き目があったりするかも知れません。
(1) 動物編
① うさぎ
あ飛躍・ツキを呼ぶ
前にしか進まない(後ろに下がらない)、飛び跳ねる(飛躍する)ということで縁起がいいとされています。
また、ツキ(月)を呼ぶとも言われています。
② ねこ(招き猫)
あ商売繁盛
米などを食い荒らす、ネズミを捕ってくれるから。あ猫には、特別な力が備わっていると信じられていたなど、諸説ありますが、商売繁盛の縁起物とされています。
右手はお金と福を招き、左は人寄せと言われお客様を招きます。
あaaねこ(黒猫)
あ魔除けや幸運
欧米の影響ですかね、あまり良いイメージはありませんが。
日本では、「夜でも目が効く」という理由から、「福猫」として魔除けや幸運の象徴とされています。
③ たぬき
あ商売繁盛
「他を抜く」という語呂で、商売繁盛の縁起物になっています。
よく見る置物は、ふくよかな顔をして、 右手に大福帳、左手にとっくりを持っています。
また、災難から身を守るために笠を被っています。
この姿は、八相縁起とよばれる人生成功の教えが織り込んであり、まさに商売繁盛を象徴しています。
④ さる
あ厄払い
不幸が去る。困難が去る。病気が去る・・・
厄払いの力を持っているそうです。
あ
(2) 海産物
① いせえび
あ長 寿
背の曲がった姿を老人のそれと重ね、長寿の縁起物 とされています。
あ必勝祈願
伊勢海老の堅い殻を甲冑に例え、その勇ましさから、戦勝の縁起物とされています。
② たい
あお祝い
言うまでもなく、めでたい縁起物ですね。
赤は、神様が好む色、邪気を祓う色とされ、祝い事には欠かせません。
③ こい
あ立身出世
鯉の滝登り、出世の象徴です。
困難を鯉のように突破し、立身出世の願いが込められています。
④ かつお(鰹節)
あ縁起物の万能選手
古くは戦国時代、「勝男武士」に通じるとして広がった縁起物です。
のちには、夫婦和合や元気の意味で、結納品の一つとなりました。
長寿の祝い、出産祝、快気祝い、必勝祈願など、祝い事の縁起物として最適です。
⑤ あわび(のし鮑)
あ不老長寿
古来から、高級な食材として慎重され、不老長寿のご利益があるとされていました。
あ永続・発展
のしにすると、長く伸びることから、永続して発展する意味があり。
縁起物として、祝意を表すために進物に添えるようになりました。
⑥ かに
あ霊 力
陸でも、水中でも生きれる。脱皮をして成長するなどの習性から。
古来から、霊的な力が宿ると考えられていました。
あ邪気払い
赤は、神様が好む色、邪気を祓う色などから縁起が良いとされる。
あツキ招き
ハサミを上下する動きが、ツキを招くように見える事から縁起物
あ
(3) 鳥類編
① すずめ
あ繁栄・家内安全
まるまるとした福与かな姿から、豊かさを表す縁起物です。
また、厄をついばむとされ、家の繁栄・家内安全の縁起物です
「寿徳」「福徳」「財徳」が備わるといわれています。
竹と一緒に描かれる図柄は、子孫繁栄・一族繁栄の象徴とされ、家紋にも用いられています。
② にわとり
あ世の再生を告げた神聖な鳥
天岩戸の神話では、天照大神を外に招き出すとき、夜明けを告げる鶏(常世長鳴鳥)を集めて鳴かせました。
今でも、式年遷宮の、御神体を新しい正殿に移す「遷御の儀」は、「カケコー」と三度唱える「鶏鳴三声(けいめいさんせい)」を合図に始まります。
また、元旦の朝、新しい年に一番最初に鳴く鳥であることから縁起がよいとされています。
③ つる
あ長寿を願う吉祥の鳥
ご存じ、鶴は千年、長寿を願う吉祥の鳥ですね。
一生を連れ添うことから「めおとづる」といわれ、夫婦円満の象徴です。
また、鳴き声が遠くまで届くことから、天上界に通ずる鳥と言われています。
④ ふくろう
あ福招き・商売繁盛
こんな漢字が充てられています、「福来郎」「不苦労」。
「福が来る」「苦労がない」などを願った縁起物です。
夜でも目が利くことから、目先が利くため商売繁盛にもつながります。
また、首が回るので、お金に困らないというご利益もあります。
あ
(4) 小動物
① こがねむし
あ財運・金運
黄金虫、いかにも、お金に関しての縁起がよさそうな感じがします。
「こがねむし」と呼び、現れるとお金が貯まる縁起物とされています。
現れたり、飛んで来たり、捕まえたりという夢は吉事の前兆です。
それに対して逃がしたり、殺したりすると良くありません。
黄金虫がピンチな状況を見ると、チャンスが逃げていく事を暗示していると言われています。
② 朝くも
あ良い事の前触れ
朝の蜘蛛は幸福や良いお客がやって来る前触れだと言われています。
「朝のクモは、捕って懐にしまっておけ」と言われるくらい縁起が良いそうです。
ちなみに、夜のクモは、不幸や災難、盗人を呼ぶと言われています。
③ かえる
あ幸福を呼ぶ
カエルにも人生を成功に導く教え、「八相縁起」があり、縁起の良い生き物とされています。
卵をたくさん産むところから「子孫繁栄」、語呂合わせで「無事カエル」「福カエル」・・・。
好き嫌いはありますが、いろいろな幸福を呼ぶ、縁起物だそうです。
④ かめ
あ長寿を願う吉祥の動物
ご存じ、亀は万年、長寿を願う吉祥の動物ですね。
めでたい生き物として鶴とツインで尊ばれています。
また、甲羅の六角形は吉兆を表わすの模様とされています。
⑤ たまむし
あ財 運
玉虫の羽は、昔から宝石と同じ様に珍重され。縁起の良い物ですね。
⑥ へび(白蛇)
あ金運アップ(強力)
白蛇は、七福神の一人、弁財天の使者として、富を呼ぶと信じられています。
昔から、脱皮した皮を、お財布の中に入れておくと、お金が貯まるという話を聞いたことがありますよね。
皮じゃなくてもイイんです。効きますよ(笑)
(おまけ)
如何でしたか?
有名どころを集めてみましたが、そこそこの数になりました。
その由来は様々で、こじ付けであったり、語呂合わせだったり、昔の人のセンスは粋で面白いですね。
こんなもの迷信だと毛嫌いする人もいますが、昔の人の生活体験から創造されたものなので、まんざら馬鹿にできない処もあると思います。
願いを具象化すると、目標にむかって頑張れたりする事もあります。
よかったら、自分好みの縁起物を見つけてみては?